今、生きるガルブレイス『大暴落1929』その3

(ガルブレイス『大暴落1929』について・承前) 大暴落が及ぼした影響について、ガルブレイスが挙げている点を以下に引用する。第二次世界大戦に及ぼした影響という点では三番目の外国への融資が大きい。地域的にはドイツと中南米が多かった。 (引用開始) ウォール街は長年にわたり株など端役に過ぎないと言い続けてきたが、実際には主役級だっ…
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今、生きるガルブレイス『大暴落1929』その2

(ガルブレイス『大暴落1929』について・承前) あの頃(1929年)は特に未開でもなかった。それどころか、その後に起こったバブル現象のことごとくが現れていたのである。 まずはフロリダの土地騰貴であった。 (引用開始)   フロリダの気候という現実の決め手の上に、投機を誘う虚構の世界が築き上げられていった。その世界に入り込む…
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今、生きるガルブレイス『大暴落1929』

『大暴落1929』ジョン・K・ガルブレイス その1 古典的な名著であるらしい。ガルブレイスの『大暴落1929』(村井章子訳・08年9月・日経BP社)である。最初1955年に発表され、97年に新しい版が出ている。97年のまえがきから見ていこう。 (引用開始)   もしいま株価が下落に転じ、天罰の降る日を迎えるとしたら、確実に予想…
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ドーピングとオリンピック

ご隠居が一番印象に残っているのは、第24回(1988)ソウル大会である。 ベン・ジョンソンが陸上男子100メートルで金メダルを獲得した2日後に摘発されたことから極めてセンセーショナルな事件となった。 『増補改訂・オリンピック全大会』(武田薫・19年8月・朝日新聞出版)から引用する。 (引用開始)  ドーピング検査は尿検体で行…
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64東京・筆のオリンピック

NHKラジオ第一で7月末から8月初めにかけて放送された朝の番組(8:30-8:55)は「作家たちが目撃した東京オリンピック」と題して「三島由紀夫や有吉佐和子、石川達三など当代一流の作家が記した観戦記の朗読を通して“オリンピック”を感じ、読み解く」(朗読・藤本隆宏)趣旨の内容であった。 あの頃は日本総出で何やら張り切っていたらしいこ…
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消費税値上げ前に考えたこと

ご隠居が贔屓にしているビデオニュース・ドットコム「マル激トーク・オン・ディマンド 第964回(2019年9月28日)」は三木義一氏(青山学院大学学長)を迎えての「理念無きなし崩しの増税を許すな」であった。 番組HPの冒頭は以下のようだ。 (引用開始) 消費税をいよいよ二桁の大台に乗せようかというのに、メディアを見ると、キャッシ…
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鬼海弘雄対話集

先日来、気になっている写真家として鬼海弘雄(1945-)さんがいる。図書館の予約待ちで、写真集の方はなかなか順番が回ってきていないが、対話集の方が先に順番が回ってきた。以下、とりあえず、ご隠居の興味のある箇所から引用してみる。まずは、山田太一との対話から。 (引用開始) 山田 道を歩いている大半の人は、ふつうの顔をしていますが、…
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橋本治の遺作、小説『黄金夜界』

8月25日の毎日新聞「今週の本棚」で橋爪大三郎が紹介していたので、慌てて読んでみた。尾崎紅葉の『金色夜叉』にプロットを借りている。主人公の名は間貫一、ヒロインは鴫沢美也である。 以下、筋立ては橋爪の説明を借りる。括弧内は引用者の補足である。  主人公・間貫一は生後すぐ母を、小学六年で父を亡くし、父の親友鴫沢に引き取られた。その家…
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『日本社会のしくみ』雇用・教育・福祉の歴史社会学(小熊英二・講談社現代新書)

最近、『日本社会のしくみ』雇用・教育・福祉の歴史社会学(小熊英二・講談社現代新書)を買って読み始めた。 是非お薦めする。カバーにも大きく書いてあるが、「日本を支配する社会の慣習」だそうで、1/3程度読んだばかりだ。この「社会の慣習」でわたしたちは育ったというのが実感としてはよく分かる。というか分かりすぎる。 なぜか(当然にという…
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『7つの習慣』とは何か

2ヵ月ほど前だろうか、ジムのエアロバイクでトレーニング中に、その先に置かれたTVでヨーロッパの映像制作会社が制作したシリアかイラクの現地報告番組を観ていた。NHK・BSだったと思う。ボランティアで子どもたちのための移動図書館を仲間と運営している男の日常を描いていた。彼の座右の書が『7つの習慣』だったことが最後に示されていた。早速、図書館…
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財政赤字と国債・『データが語る日本財政の未来』その2

(承前) まず、あの高橋是清は何をしたかを見よう。 以下、先生役のモノシリン(=モ)と生徒役の太郎(=太)との対話となっている。 (引用開始) アベノミクスと高橋財政の共通点 モ 是清は日銀に直接引受させていた国債の大半を、後で民間金融機関に買い取らせていた。民間金融機関は国債の代金を支払うので、民間金融機関が持っている通…
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財政赤字と国債・『データが語る日本財政の未来』その1

図書館で予約して、2ヵ月待たされた本である。『データが語る日本財政の未来』明石順平・19年2月インターナショナル新書・集英社インターナショナル)はコンパクトで分かりやすく、これ一冊で問題点が全て網羅されている。 こんなことなら、買ってみれば良かったとも思う。 大体、日本が赤字体質になったのはいつからだろうか? ご隠居は記憶をたぐ…
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産児制限・母体保護・優生保護――混迷の少子化対策

たまたま、区立図書館のリコメンドコーナーにあって読むことになった『日本の少子化 百年の迷走 人口をめぐる静かな戦争』(河合雅司・15年12月・新潮選書)だったが、ご隠居にとっては、まさに目から鱗の本だった。 明治維新以来の人口の過剰は、少なからず少数の者の憂慮することになっていたのだが、世界恐慌の勃発とともに盛り上がりを見せるようにな…
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加藤典洋さん、さよなら! 2019/05/21

加藤典洋(1948-)さんが亡くなった。大江健三郎を論じた部分で、後期に立ち至った大江の小説を「敗者の想像力」と評し、ヘミングウェイに言及しているところがあった。 ご隠居は『老人と海』を読んでいなかったので、分かったように引用することは避けていたが、今、改めてここで皆さんとその部分を共有したいと思う。 (引用開始)  敗者の想…
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アマゾンは悪者か? 2019年5月2日

皆さんは今、〝紙の本〟をどのように購入していますか? ウェブ? リアル書店? (ご隠居個人の遍歴をまず申し述べる。) ウェブでの購入は2015年くらいまでおそらく10年以上はずっと紀伊國屋ウェブだった。それがアマゾンに移行した。本ばかりではなく、その結果「何でもアマゾン」状態に近くなった(電気製品は基本、ヨドバシドットコムだ。)。…
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改元を目前に――改めて象徴天皇制を考える

ご隠居にとっては、ラスト・エンペラーは昭和天皇だった。したがって、今上天皇は〝エンペラーではない天皇〟の始まりの人だった。 だから、憲法における天皇条項も昭和天皇のためのものと理解していたのであった。そんなことが影響してか、自分の意識の中では言わば〝治外法権的天皇意識〟(論議したくない)が育っていたこの30余年であったのだ。 象…
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橋本治――日本へのLove Letter

若い頃はありがちだが、「俺は日本人じゃネエよ」みたいに突っ張っていたご隠居だが、今に至れば最早日本人以外ではあり得ない状況に陥っている。まあ、それはそれで結構だと自分を慰めているのであるが、実は橋本治に〝日本へのLove Letter〟なるものがあると知って、借りてきた本がある。作家、歌人、イラストレーター、俳優などが競作した『ラヴレタ…
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橋本治――『ひろい世界のかたすみで』はバイブル本だ

図書館から借りてきて、既に期限が三日ほど過ぎている。ちょっと読んで放っておいたら、1回延長後の期限切れとなった。 『ひろい世界のかたすみで』(05年10月・マガジンハウス)は、購入することにした。橋本を読みたい人にとって、この本はバイブル本だと思う。「Ⅳ個人的な歴史」は必読である。どこかで読んでほしい。 それは措いておくとして、…
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時代は変わる!?――橋本治の80年代

誰でも良いが、その道でトップだった人の訃報に接すると、なぜか「昭和の終わり」と感ずることがしばしばである。あえて「昭和」というか「時代」というかはともかく、死ぬ人は皆高齢者で、だから、どうしても傾向として「昭和の……」と呼びたくなるのである。 まだ、橋本治に拘っている。おそらくあと1年くらいは、と思う。 引用元は『橋本治という考…
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メモリアル・橋本治『草薙の剣』その2

(承前) で、今回は未来のあるはずの凪生(なぎお)22歳、凡生(なみお)12歳についての部分から引用する。 凪生は東日本大震災のボランティアに高校生として参加する。 (引用開始)  凪生と友人は、被災地に一週間いて瓦礫の撤去作業に従事した。三日目には「もう帰りたい」と思ったが、それでも一週間は我慢した。見渡す限りなにもない中…
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